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カッチュウビル
千葉県館山市 , 2011
※代表岸田の千葉大学大学院工学研究科修士課程在籍時の担当作品
館山市の中心市街地の主要交差点に建つ市街地再開発ビル第1号。古くは酒屋やフランス料理店が入っていたが、現在は近くの商店街振興組合が事務所として利用している。周辺商店街は過去南房総で一番の商店街であったが、現在はシャッターが閉まったままの商店街多い、いわゆるシャッター商店街である。我々が最初に訪れた時に、向かいの呉服屋が主宰する手作り甲冑教室の作品が展示しており、ボール紙で作られたその完成度に驚かされた。それからプロジェクト関係者の間では、手作り甲冑がある建物ーカッチュウビルという呼び方をするようになった。
本計画は、そのような商店街の中で、展示会やシンポジウム、勉強会などといった都市的なアクティビティを許容する空間としてリノベートし、既存商店街に新たな役割を付加するひとつの仕掛けとして位置付けられた。
設計段階で、耐震診断により耐震性能が低下していることがわかり、耐震補強を含んだ改修となった。一般的に耐震補強というと、合理的な鉄骨フレームが設置されることが多いが意匠上課題が残っている。そこで構造デザインの概念に立脚し、耐震補強の部材、設置方法を一からデザインした。
[受賞]
2012年建築学会大会 建築デザイン発表会 顕彰受賞
[掲載]
『新しい建築のみかた -archi-neering design guide book』斎藤公男著