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MINATO BARRACKS(ミナトバラックス) 千葉県館山市 , 2016 館山市の旧官舎をコンバージョンして完成した共同住宅。クライアントは東京からの移住者でこの共同住宅を中心とした都市的なコミュニティと、田舎的なコミュニティを融合した新たなコミュニティデザインを実践している。 未来のリノベーションのためのリノベーション クライアントは自らの趣味はセルフリノベーションと言うほど、身の回りの空間を自らの手でつくりかえていくということが生活の一部になっている。まさしくDo It Yourselfの概念であるが、リノベーションが好きで、自らの生活空間を自らの手でつくっていく者たちが集まるコミュニティをこのミナトバラックスでつくりたい、そのための空間を要望された。 そこで僕らが提案したのは「未来のリノベーションのためのリノベーション」である。一般的には工事が終わった瞬間、その空間の成長はほとんど止まる。しかしながら、ここではリノベーション好きが集まる空間となるため、工事が終わった後にこそ空間が成長するのである。そこで工事後に住人が行うリノベーションを阻害しないようなデザインを行うことにした。 居住者と専門業者が手を加える箇所を明確に そこで僕らが注目したのは設備部分である。専門業者がメンテナンスを行う設備部分、居住者がメンテナンスを行うその他の部分、というように建築内の要素を分類した。居住者が手を加えことができる箇所と専門業者がメンテナンス作業を行う箇所を明確に分割することで、居住者が迷わずDIYとして手を加えることができ、かつ後々の設備のメンテナンスや入れ替えなども容易になっている。 設備スペース+デッキが空間をつくる 間取りは可能なかぎり間仕切りを取り払い開放的な空間とし、多様な住まい方を許容するようにしている。また床および床下地の劣化部分は剥がし、露わになった上下水道、ガス、電気配管を再配置し、さらにこれらの配管を納めるために箱状にデッキを組んでいる。 このデッキにより床レベルが変化し、空間に抑揚を生むとともに、間仕切りがなく広々とした空間の使い方の拠り所となるようにした。入居後の入居者の使い方を見ると、床のレベル差をうまく使い、簡易的なソファとして使ったり、場所ごとに綺麗に床仕上げ変更し、ワンルームの中に様々な場所を生み出したりと、DIY好きの創造力を掻き立てるような要素になっているようだ。 設備スペースを空間をつくる要素として活用したことで、空間をつくるための仕掛けとなり、住まい方の拠り所となり、DIY好きの心をくすぐる仕掛けとなった。さらに工事手間を少なくすることにもつながり、コスト削減にも一役買っていることを最後に付け加えておきたい。