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南房総の2枚屋根 千葉県南房総市 , 2019 千葉県南房総市に完成した3世代が暮らす専用住宅。地方都市の郊外部に立地し、田畑が広がる中で家々が立ち並ぶ比較的密度が高いエリアに立地している。 屋根がつくる2階レベルのランドスケープ この建築の特徴は大きな2枚の屋根にある。周辺建物の屋根の傾斜に呼応するように2枚の屋根を設定した。これにより2階レベルにおいて緩やかなランドスケープを形成するようにした。地上レベルに広がる田畑のランドスケープに対し、2階レベルの周辺建物を含む屋根のランドスケープ、そして上空に広がる青々とした空がこの建築がつくる環境である。 バルコニーから連続した屋根は、日常的には物干しの場であるが、読書の場であったり、家族の団欒の場にもなる。 高い断熱性能によるエコ住宅 この住宅は高性能断熱材を屋根・外壁・床に設置するとともに、外壁には天然のシラス壁を用いることにより、高い防水・透湿性能を確保しながらさらなる断熱性能を得ることができた。シラス壁は内装材にも使用し、室内の調湿や防臭性能にも繋がっている。 光を調整する リビングをはじめ各所で、光の制御を居住者が行える建具を設置している。フルハイトの可動式間仕切りを、「フラッシュ戸-太鼓張りの障子-建具なし」という3種類の間仕切りの形式を組み合わせることで自由な光環境を選択できる様にしている。 古民家を再構成する 本計画は同一敷地内の古民家からの住み替えのための建築であった。古民家からは仏壇や欄間、建具を取り外し、この建築で再構成している。古民家には当時の大工や建具職人の工夫と技術が詰まった良い材が多くあった。これらの特性を読み解き、新しい建築の中で活用している。例えば、季節によって部品を取り付けすることで風の抜け方を調整できる障子は、状態が良い部分を切り取り、一本引きの小窓として、玄関ホールに配置した(写真参照)。この建具は自然通風のルート上に配置し、キッチン-リビング-客間-主玄関の自然通風を確保している。他にも仏壇の部品を取り外し、新規の材料と組み合わせた仏壇等、先祖の思いとこだわりが蓄積を新たな建築が引き継ぎ、新たな思いとこだわりを子供の世代にバトンタッチすることになった。